実感レポ

手ぶらで遊べる! バードウォッチングが親子のアクティビティにピッタリな理由

文/三宅隆 写真/田口陽介

2018.03.05

「今週末、何をしようか?」と、家族そろって楽しめるアクティビティを探しているママやパパも多いのでは? 定番は登山やサイクリングなどですが、季節を問わず、双眼鏡ひとつあれば楽しめる“バードウォッチング”も、実は根強い人気を誇っています。

そもそもバードウォッチングとは、野鳥を肉眼で見て観察するだけでなく、鳥の鳴き声を聞いたり、姿を探し当てたりして、その行動を観察し記録することが主な目的。国内の愛好家人口は老若男女を問わず1000万人を超えるともいわれています。自然や生態に対する知識を得ながら、トレッキングやハイキングと組み合わせても楽しめることから、健康面でのメリットも近年、注目されています。

また、山奥まで行かなくても、都市部でも多くの種類の野鳥を観察できるため、誰でも気軽に始められる点もうれしいところです。今回は、そんなバードウォッチングの魅力を探るために“日本野鳥の会”が主催する初心者向けのイベントに参加。魅力を実感してきました!

 

◆防寒具と飲み物だけを持ち、気軽に参加

会場は、さいたま市大宮区にある大宮公園。今回のイベントは「はじめてみませんか? バードウォッチング」と銘打たれたプログラムで、参加費はひとり200円(中学生以下は無料)。双眼鏡はレンタル可能なので、自前で準備するものは、いざというときのための雨具と飲み物だけでOKです。当日は、90人を超える参加者が集まり、お子さんの姿も多く見られました。なかには待ちきれず、スタート前から肉眼で野鳥の姿を追っている人の姿もチラホラ。

まずは、日本野鳥の会埼玉のスタッフから、バードウォッチングのルート説明や、安全上の注意といったレクチャーを受けた後、見つけた野鳥を記録していくチェックシートが配られます。双眼鏡の使い方もここで教えてもらえるので、初心者でも安心です。

スズメをテーマにしたクイズとチェックシート。このリストを見るだけでも、公園内で多くの野鳥を観察できることがわかります。

 

こちらがレンタル用の双眼鏡。自分で用意する場合の選び方を聞くと「初心者の方におすすめなのは、大きさ、重さ、見え方のバランスが良い、30口径の双眼鏡」とのこと。

 

◆野鳥探索スタート! 予想以上の野鳥の数に驚く!!

公園内をめぐるルートは、日本野鳥の会のスタッフがガイドしてくれます。とにかく最初は、思い思いに木の上などをチェック。慣れるまでは難しい双眼鏡のピント調整も、子どもは楽しそうにアレコレ試していました。

最初に見つけたのは、くちばしと足が黄色い「ムクドリ」。ほかにも、さまざまな場所から野鳥のさえずりが聞こえてきます。

 

◆カモだけで10種類も! オスとメスの見分け方は?

歩を進めていくと「カモ」が池に優雅に浮かんでいます。きれいな景色も楽しめる場所だったので、参加者の皆さんが足が止めるポイントに。他の公園でもカモはよく見かける鳥ですが、野鳥の会のスタッフによると「実はカモだけでも10種類以上いるんですよ」とのこと!

また、スタッフの方に教えてもらうまで、目の前で泳ぐ2羽の「オナガガモ」が、オスとメスであるということに、まったく気づきませんでした。見分け方について質問したところ「カモに限らず、鳥のオスは、メスにモテるためにキレイな羽を持つものが多いですね。逆に、メスは地味なんです」とのこと。なるほど、羽の色などで判別するんですね!

 

写真はオナガガモのメス。名前のとおり、尻尾のように羽が伸び、首もスラッとしています。湖沼や河川などに多数飛来し、早秋から晩春まで見られます。

 

こちらはオナガガモのオス。首元から頭にかけての白い模様が特徴です。オナガガモに加え、「カルガモ」、「ホシハジロ」、「キンクロハジロ」、そして、カモに似た水鳥の「オオバン」と、カモだけで豊富な種類が生息していました。

 

◆特徴的な“声”で野鳥の種類を聞き分ける!

公園を歩いていると、目で探すだけでなく、耳で“鳴き声”にも集中するようになります。なかでも「ピリリリリリリリリ」という独特な声ですぐに判別できるのが「カイツブリ」。潜水が得意な野鳥で、潜った場所とまったく違う場所から浮上してくることもありました。姿を消したり現したりと観察しがいのある野鳥で、子どもは夢中になって「あっちに浮いてきた!」などといって探していました。

 

◆野鳥の羽で種類を見分けられるようになる!

ていねいなガイドのおかげで、観察に慣れてくると、野鳥を判別できるようになってきます。子どもだけでなく、いっしょに参加するママやパパも真剣そのもの。そんなときに、人だかりができているスポットを発見。道端に落ちていた野鳥の羽について、日本野鳥の会スタッフの方による講義が行われていました。

「水鳥の羽は“防水加工”されています。“シャイニー・パッチ”と呼ばれるキラキラがその部分で、水鳥特有の特徴なので、羽を拾っただけで水鳥かどうかを見分けられるんです。水辺を歩く際は、足元にも気を配ってみてください」

これまた知らないことばかりです!

 

写真は「コガモ」の羽。緑色の光沢がとてもきれいです。

 

◆知れば知るほど面白い! 親子で長く楽しめるアクティビティ

公園をぐるりと1周し、元の場所に戻ってみれば、あっという間の1時間50分。五感を研ぎ澄ませながら野鳥を探し歩くのに、思った以上に集中していたようです。

最後に、日本野鳥の会埼玉の青木正俊さんに話をうかがいました。

 

−−バードウォッチングに最適な時期はいつ頃なのでしょうか?

「年間を通して楽しめるバードウォッチングですが、冬から春にかけての時期が一番見やすいですね。もちろん、夏にも多くの野鳥に出合えますが、場所が限られますし、何より観察する人間にとっても暑い時期ですから(笑)。水鳥なら、池や川に行けば四季を通じて見られますし、小鳥なら場所もそれほど選びません」

 

−−親子で楽しむ上での注意点はありますか?

「冬なら暖かい服装を、夏ならこまめな水分補給に配慮してもらえば、特別な装備は必要ありません。ただし、野鳥を探すのに夢中になるあまり、周囲への注意が散漫になりがちです。クルマや歩行者に気をつけ、安全な場所での観察を心がけてください。特に、水場でバードウォッチングを楽しむ場合は、お子さんの安全には十分気を配ってください」

 

−−ところで、日本野鳥の会のスタッフの方は、野鳥以外の生態にも詳しいのでしょうか?

「同行するスタッフにもよりますが、野鳥だけでなく、野鳥のエサとなる植物や昆虫の知識を持ったスタッフも多いですね。ほかの生き物の生態にも興味があれば、バードウォッチングを楽しみながら、そうした知識を身につけられると思いますよ」

 

−−最後に、野鳥を探すコツを教えてください!

 「よく聞かれる質問なのですが、今日のような『探鳥会』に参加してもらい、実際に体験してもらうのが一番ですね。習うより慣れろ、とよくいいますが、まさにそのとおりだと思います。また、探鳥会なら、野鳥の生態に詳しい人がまわりにたくさんいますので、野鳥を見つけたという実体験にひもづけながら、すぐに知識を得られる、というのは大きいと思います」

 

 

今回、初体験したバードウォッチング。何かの感覚に似ているなぁ…と思っていたら、実はあの、モンスターを探す人気ゲームアプリにそっくりだったんです! 自然に生息する動物を見つけ、自分だけのリストにコレクションしていく感覚が、とても似ています。しかもバードウォッチングは、本物の生き物を探すアクティビティ。子どもたちが生態系や環境に興味を持ったり、関心を深めたりするいいきっかけになり、情操教育にもなるな、と感じました。

 

教えてくれた人

日本野鳥の会埼玉・青木正俊さん

 

公益財団法人 日本野鳥の会

日本野鳥の会は、野鳥の保護を通じて野生動物や環境を守ります。

 

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