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子育て中の造形作家に聞いた! すすんでやる子を育てる「アイデアおもちゃ」のつくり方

幼児期のお子さんとの暮らしは、毎日が時間とのたたかいです。できればいいたくないけれど、つい口にしてしまう「早く!」という言葉……。もっとゆとりを持ってわが子に向き合いたいとは思っていても、仕事や家事に追われていると、なかなかできないのが現実ですよね。「子どもは生活のすべてを“遊び”にしたいと思っています」と話すのは、6歳の男の子のママでもある造形作家・佐藤 蕗(ふき)さん。佐藤さんは、着替え、歯みがき、お風呂、片づけなど、日常生活のなかに遊びの要素を取り入れることに着目。子どもが自ら率先してやりたくなるような、手づくりのアイデアおもちゃをつくっています。今回は、そのおもちゃのつくり方を教えてもらいました。「手づくりのいいところは、飽きたらどんどん変えていけるところ。あっという間に変わりゆく子どものブームを取り入れたおもちゃにすれば、常に楽しく遊んでくれます。また、市販品だと対応しきれない細かなブームを形にすることもできるんです。例えば、海の生き物のなかでも、とりわけタコが好きだからタコに特化したおもちゃにするなど、ちょっとマニアックな好みまで取り入れられて、子どもの好みにピタリと合わせられるのも魅力です」(佐藤さん)佐藤さんのアイデアおもちゃは、どれも簡単につくれるものばかり。ぜひ、お試しください。 ★すすんで身支度したくなるおもちゃ朝晩のおしたく、がんばって!!「やることボード」「息子が4〜5歳になり、自分の身のまわりのことが徐々にできるようになってくると『大人が指示をしなくても、自分で身支度してほしい』という気持ちがわいてきました。とはいえ、これくらいの年齢の子が、すべての見通しを立て、次々と準備をこなしていくことは、大人が思うよりも難しいこと。『歯みがきはしたけれど、次に何をするのか忘れちゃった』『めんどうくさくて考えるのがイヤ!』などとなりがちです。そこで、用事をこなすたびにマグネットを貼り、絵柄を変えていくボードをつくってみました」(佐藤さん)。 <材料>・マグネットシート・身支度のイラスト・ホワイトボード・はさみ・カッターナイフ <つくり方>(1)子どもにしてもらいたい用事をイラストにし、マグネットシートに貼って、はさみで切る。 (2)用事をこなせたら上にのせるイラストをマグネットシートに貼り、カッターナイフやはさみで絵柄を切り取る。  ★お風呂に入りたくなるおもちゃ①湯船に浮くパンダに興味津々「おふろパンダ」「息子が2歳になり、なんでも『イヤ!』を連発するイヤイヤ期のころは、毎晩お風呂に入るのを嫌がって本当に困りました。どうやらお風呂自体が嫌いなのではなく、今やっている遊びを終わりにしたくないなど、行動を切り替えるきっかけを失っている様子でした。そんなとき役立ったのが、この『おふろパンダ』。パンダの顔をたくさんつくって浴槽に浮かべただけなのにインパクトが強く、子どもの気分がコロッと変わる優れものです。お風呂に入るきっかけさえつかめれば、息子は案外すんなり入ってくれました」(佐藤さん) <材料>・食品トレー…10~20枚・カッターナイフ・カッターマット・油性マーカー <つくり方>(1)トレーをパンダの形に切る。耳の部分は丸くする。 (2)パンダ型のトレーの裏表に油性マーカーでパンダの表情を描く。笑っている顔や怒っている顔など、それぞれ表情を変えるのがポイント!  ★お風呂に入りたくなるおもちゃ②壁に貼って楽しく遊べる!「おふろシール」「水で吸着させ、お風呂のタイルに貼ったりはがしたりできるシールです。市販のクリアファイルに油性ペンで絵を描き、擦れて消えないよう透明テープで保護するだけ。クリアファイルは透明なので、絵を描くのが苦手な方は、絵本などの上に重ねて、上からなぞるだけでもOKです。お子さんの好きなものやそのときのブームをイラストにすると、よろこんでお風呂に入ってくれることでしょう」(佐藤さん) <材料>・クリアファイル…2~3枚・手貼り用ラミネートフィルム(100円ショップで購入可能。梱包用の透明テープでも代用可)・ビニールテープ…複数の色があると色鮮やかなシールに仕上がります(カラーの油性ペンでも代用可)・油性マーカー・はさみ・カッターナイフ <つくり方>(1)クリアファイルに油性マーカーでイラストを描く。 (2)イラストの表面に手貼り用ラミネートフィルムを貼る。ない場合は、梱包用の透明テープを貼ってもOK! (3)イラストは1cmほど外側を残し、はさみで切り抜く。※角を尖らせてお子様がけがをしないよう、切り抜きの際はご注意ください。 (4)イラストの裏面(ラミネートフィルムを貼っていない面)にビニールテープを貼る。 (5)マーカーの線の内側でビニールテープをカットし、不要なテープをはがす。最初に油性ペンで線を描くときに、カラーの油性ペンで色を塗ってもOK!  【次のページは】歯磨きをしたくなるおもちゃ、ふとんに入りたくなるおもちゃ! ★歯みがきしたくなるおもちゃみがいてあげる立場になると理解が深まる!?「はみがきねこさん」「子ども向けのおもちゃをつくるようになって、全国のママやパパからたくさん寄せられたのが『うちの子、歯みがきが嫌いなんです』という声でした。もちろん、わが子も歯みがきが嫌いでした。6歳になった今でこそきちんとみがけていますが、2〜3歳の頃はかなり手こずった記憶があります。あるとき、歯みがき嫌いの子どもは『別に楽しくも気持ちよくもないことを、どうして無理やりやらされるのかわからない』と感じているのかもしれないな……と思いました。そこで、歯みがきという行為を説明できるおもちゃを制作してみました。いつもと違って、自分がみがいてあげる立場になることで、多少は歯みがきへの理解が深まり、イヤで仕方ない気持ちも少しはマシになるかもしれません」(佐藤さん) <材料>・ティッシュペーパーの空き箱・画用紙(黄色・赤・黒・白)・色鉛筆(黒・赤)・のり・はさみ・カッターナイフ・両面テープ <つくり方>(1)黄色の画用紙をティッシュ箱の裏側(取り出し口がない方)と側面にのりづけする。 (2)口の部分をつくる。カッターナイフでH型の切り込みを入れる。 (3)舌の部分をつくる。(2)で切り込みを入れた口の幅と同じ横幅で、長さ20cmほどの赤い画用紙に両面テープを貼り、写真のように折っておく。 (4)(1)の切り込みに(3)の赤い画用紙をとおし、口の部分に両面テープで固定する。上下ともに行う。 (5)箱の裏側の取り出し口から赤い画用紙を出し、2枚を両面テープで止める。これにより、後ろから赤い画用紙を引っ張ると口が開く仕組みになる。 (6)画用紙でヒゲや目、歯をつけ、色鉛筆で目玉や耳を描く。   ★ふとんに入りたくなるおもちゃ入眠儀式にぴったり!「おやすみアニマル」「夜ふかししてしまう幼児は困りますよね。自分が同じ年の頃は、8時にはぐっすり寝ていたのに、なぜ22時を過ぎても起きているの……!?  と、イライラしたりあせったりしてしまうママやパパも多いのではないでしょうか。暗い部屋で寝転んでくれさえすれば、そのうち眠ってくれるはず!……ということで、暗くした後に、眠る前のお楽しみを演出できるおもちゃをつくってみました」(佐藤さん)<材料>・鏡・スマートフォン・ホワイトボード用マーカー <つくり方>(1)鏡にホワイトボード用のマーカーで、映し出したいイラストを描く(※最初に、鏡に描いて消えるかどうかを確かめてから作業してください)。 (2)部屋を暗くし、イラストにスマートフォンのライトを当て、天井や壁にイラストを投影する。  佐藤さんに教えてもらったアイデアおもちゃを、実際に3歳の男の子に試してみたところ、どのおもちゃにも興味を示し、目を輝かせながら遊んでいました。日常生活の「やらなければいけないこと」を遊びにしてしまえば、子どもは楽しみながらやってくれることでしょう。そんな子どものキラキラした姿を見ていると、大人には「気持ちのゆとり」が生まれるはず。イライラや、子どもに「早く!」と急かすことも減りそうです。子どもの好奇心をとらえた手づくりおもちゃで、子育てをもっと楽しく、ラクにできたらいいですね。 教えてくれた人 佐藤 蕗さん造形作家/おもちゃ作家 1982年、愛知県生まれ。多摩美術大学卒業後、店舗設計会社、建築設計事務所勤務を経て、第一子出産を機にフリーランスに。育児をしながらつくっていたおもちゃが反響を呼び、デザイナー、イラストレーターの活動のかたわら造形作家に。現在は雑誌、Web、テレビなどで活躍し、不定期でおもちゃづくりのワークショップも行う。 <公式HP>http://fuki.petit.cc ●こちらの記事もおすすめです[glink url="http://www.nikuine-press.com/trial/post_2646/"][glink url="http://www.nikuine-press.com/howto/post_954/"][glink url="http://www.nikuine-press.com/trial/post_3787/"]