ニクイねぇ!調査隊

寒冷地専用エアコンと普通のエアコンってどこが違うの?

文/ニクイねぇ! PRESS編集部

2018.01.23

近年、主に北海道や東北といった雪深い北国でもエアコンが普及し始めているそうです。かつては石油ファンヒーターなどの独壇場だった地域で、どうしてエアコンを設置する住宅が増え始めたのか? また、そういった住宅に設置されている寒冷地専用エアコンとは、どういった特徴があるのか? ここでは三菱電機の空調冷熱システム事業部の今川雄希さんに教えてもらいました。

三菱電機
空調冷熱システム事業部
空調冷熱計画部 計画グループ
今川雄希さん

 

◆寒冷地専用エアコンとは?

三菱電機の『霧ヶ峰』の場合、外気温マイナス15°Cにも負けない暖かさを届けられるエアコンを指します。

寒冷地専用エアコンは初代モデルが2007年に発売され、今季で10周年を迎えました。三菱電機の寒冷地専用エアコンは実際に寒冷地での厳しい冬の中で開発が行われ“ズバ暖”という名称で、外気温マイナス15°Cでも最高約60°Cの温風を吹き出し口から放出できるパワフルさを実現しました。部屋中がすぐに温まるのが特徴で、ユーザー満足度も約92%と皆様より好評をいただいております。

 

◆そもそもエアコンの基本構造とは?

そんな寒冷地専用のエアコンと通常のエアコンの違いを説明する前に、まずはエアコンの基本構造をお話しましょう。エアコンで部屋が暖まる、もしくは冷える仕組みは、室外機と室内機を循環する“冷媒”と、それぞれに搭載された熱交換器、室外機にあるコンプレッサー(圧縮機)で説明ができます。

エアコンは外気、もしくは住宅内の内気からそれぞれ熱交換器を通じて、室内機と室外機の間を行き来する冷媒で熱を吸い取り、暖房の場合は室内機から温風を、冷房の場合は冷風を放出します。

冷媒は圧縮すると熱くなり、膨張すると冷たくなるという特徴があり、それらは室外機のコンプレッサーによって行われます。熱は熱い方から冷たい方に移動するという特徴を生かし、冷房の場合だと…
1.室内機の熱交換器から熱を取り去る
2.室内の空気より冷たい冷媒で室外機まで運ぶ
3.コンプレッサーで圧縮、より高熱にしたところで、その熱を外気へと放出
4.同時に、冷えた空気を冷媒を通じて室内に放出
という流れです。

暖房の場合はその逆で、
1.熱交換器から空気に含まれた熱を外気から取り入れる
2.コンプレッサーで圧縮、冷媒に熱を乗せ室内機へと運び放出
となります。この仕組みは一般的にヒートポンプという技術が採用されています。

冬の冷たい外気からなぜ熱が取り出せるの? という疑問が生じるかもしれませんが、空気は例え2°Cでもマイナス15°Cでも、それ自体に熱を含んでいます。単に人間が寒いと感じるからといって熱がないわけではなく、それらの空気には2°Cという熱、マイナス15°Cという熱が含まれているということをご理解ください。

 

◆実は室外機がひと味違います。

基本構造を理解いただくと、寒冷地専用のエアコンと通常のエアコンの違いもわかりやすいんです。ちなみに寒冷地専用のエアコンのポイントは「室外機」にあります。

寒冷地専用の室外機にあるコンプレッサーは、よりパワフル仕様のものを搭載しています。寒冷地の場合、当然ながら外気の気温が低く、冷媒をより力強く圧縮しないと、素早く高温にすることができません。『霧ヶ峰』の場合、通常機種(MSZ-ZW7118S)はシリンダー容量が14.0ccですが、寒冷地専用機種(MSZ-ZD7118S)の場合、その約1.6倍の22.0ccと大容量のコンプレッサーを搭載しています。

 

続いて、熱交換器にも違いがあります。熱交換器は外部の空気から熱を取り出すための重要なパーツですが、外気の温度が低ければ、一定量から取れる熱は通常の温度より当然少なくなります。そこで寒冷地専用モデルでは、熱交換器を大きくしたり、増やしたりして、低い外気温からでも空気中の熱をしっかりと集められるように改良しています。『霧ヶ峰』の熱交換器は、通常モデルでは2列ですが、寒冷地専用では3列※の熱交換器を採用しています。
※MSZ-FD4018S・FD5618S・FD4018S・FD6318S・FD7118S・ZD4018S・ZD5618S・ZD6318S・ZD7118S・XD5618S・XD6318S型が該当

 

さらに室外機が凍結したり、雪による故障などを防ぐなど寒冷地ならではの工夫も数多く施されています。この辺りはメーカーによってさまざまな違いがありますが、『霧ヶ峰』の場合は、凍結防止ヒーターを標準搭載し、ドレン水が凍結して起こる室外機の運転効率低下や故障を防いでいます。また、粉雪などが室外機内部に侵入することを防ぐための部品を取り付け、制御基板の保護はもちろん、ファンロックなどにより起こるファンの損傷対策も施しています。さらに制御基盤の両面をポリオレフィン系樹脂でコーティングし、浸水などにより生じる絶縁劣化による故障を防ぐほか、基盤自体を板金の断熱カバーで覆い、外気温と基盤内温の差で発生する結露から基盤を守る工夫もしています。

 

 

この室外機は2004年に寒冷地専用エアコンの開発に着手して以来、ずっと行われているフィールドテストのデータをもとに開発しています。フィールドテストは北海道から東北、関東甲信越などの寒冷地と目される13道県の各地で毎年開催されています。例えば北海道は人口の多い札幌をはじめ、日本で最も気温が下がる陸別などでも行われましたが、温度が低いのはもちろん、同時に湿度も低いため、雪が固まりづらいということもわかりました。逆に新潟の方が緯度は高いですが、湿度が高いため雪が固まりやすく、ファンを損傷させやすかったり…と、同じ寒冷地でもそれぞれの地域によってさまざまな特徴があります。

 

このように日本のあらゆる地域でテストした商品でなければ「どこでも使える寒冷地専用エアコン」としては不十分。三菱電機では、いまも地道なフィールドテストを行い、常に最高のパフォーマンスを発揮する寒冷地専用エアコンを開発し続けているのです。

 

三菱電機 寒冷地仕様 ズバ暖霧ヶ峰 特設サイト

 

 

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