ニクイねぇ!調査隊

トレンドは「薄衣」!日本唐揚協会に聞いた、唐揚げトリビア10選

文/ニクイねぇ! PRESS編集部 写真/PIXTA

2017.03.28

八木さんとっておきの「マニアックな唐揚げトリビア」とは?

 

[その7]もも肉をありがたがるのは日本だけ!?

「実は、世界で最も食べられている鶏肉の部位は胸肉です」

−−そうなんですか!?

「海外では、もも肉よりも胸肉の方が人気です。ヘルシーで、肉を揚げた後にソースなどの味付けをするため、調理の際に鶏肉自体にかける手間が少ないことが理由といわれています。脂身が多くて柔らかいもも肉は、外国の方にとっては逆に下ごしらえに手間がかかってしまう点で敬遠されています。鶏肉を揚げる前に仕込むという考え方自体が、海外ではありえないことなのだそうです。

日本人はそのあたりの手間を惜しまないですし、手間のかかる下ごしらえが日本では独自の調理法として確立しています。下ごしらえにそこまで手間をかけるのは、日本人くらいなのだそうです(笑)。結果的に、日本ではもも肉の柔らかくてジューシーな食感を普通に楽しめる環境にあり、それが鶏肉のスタンダードになっていることも、日本での人気の理由といえるでしょう」

 

[その8]コンビニ“唐揚げ”がブームを牽引

−−唐揚げがここまでブームになった原動力は何でしょうか。

「時間を問わず、いつでもおいしい“唐揚げ”を食べられるようになったのは、やはりコンビニエンスストアの影響が大きいです。昭和61年にローソンがからあげクンを販売したのが最初で、各コンビニの追随もあり、味のレベルがどんどん高くなっていきました。

その波及効果ともいえるのですが、冷凍食品の唐揚げやスーパーでのお総菜として売られる唐揚げも、その品質を高くせざるを得ない状況に追い込まれる事態に(笑)。結果として、私たち買う側にとっては、おいしい唐揚げをいつでも気軽に買えるという状況になっています」

 

[その9]唐揚げの新たなトレンド「薄衣」

−−“唐揚げ業界”の、最近の新しい動きといえば?

「唐揚げの特徴ともいえるですが、この衣の厚さを薄くした“薄衣”が唐揚げ業界の新たなトレンドになっています。これまで主流だった唐揚げは、その構成が1個20gで衣と肉の比率が3:7でした。これに対し、薄衣の唐揚げは、鶏肉自体の旨味を重視することで1個35gで衣1:肉9の比率になっています」

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「粉を鶏肉にまとわせる工程を粉打ちというのですが、薄衣はタレ漬けした鶏肉に対して揚げる直前に粉をまぶし、無駄な粉をはたいて落とす後打ちという手法をとっています。また、後打ちに対する工程として先打ちがありまして、こちらは粉をまぶした鶏肉を一定の時間寝かせた後、揚げる手法になります。薄衣でも、衣の食感を強く出すために、粉を片栗粉100%にしている店もありますね」

−−粉の種類にも変化を付けているんですか?

「私が知っているやり方では、唐揚げの粉は小麦粉と片栗粉のミックス。専門店さんによってさまざまですが、この比率は1:1であることが多いですね。また、米粉やコーンスターチなどを混ぜるなど、独自の工夫をされているお店もあります」

 

[その10]唐揚げ粉の歴史

−−そもそも、お馴染みの「唐揚げ粉」はいつ頃から普及したのでしょう?

「唐揚げ粉が商品として世に出たのは、昭和48年に日清製粉さんが販売した「日清から揚げ粉」が最初です。この商品登場を機に、家庭でも本格的な唐揚げがつくれるようになりました。現在では、専門店プロデュースのものなど、バリエーションも随分と増えてます」

 

■八木さんの唐揚げに対するこだわりとは

−−それでは最後に、八木さんがおすすめする唐揚げのおいしい食べ方やこだわりを教えてください。

「今では、唐揚げ専門店やコンビニなどでおいしい唐揚げを手に入れることはできますが、自宅で揚げる唐揚げも、また趣があるものです。

自分で揚げて食べる分には何の制約もなく、たとえば、唐揚げにかけるソースやトッピングを変えてみたり、揚げ油の種類をサラダ油だけでなくごま油やオリーブオイルにしてみたりといった、工夫できる余地がいくつもあることが、唐揚げの楽しさにつながっていると思います。ですので、やはり唐揚げは、おいしく、楽しく、が一番ですね」

−−確かに、油やソースを変えると味がガラッと変わりそうですね。

「揚げ油にオリーブオイルを用いるときは、相性のよいバジルで風味を付け、トマト系のソースをかける“イタリアン風”唐揚げがおすすめ。また、砕いたピーナッツや柿の種を肉に付けてから粉をまぶしたり、付けダレもマヨネーズベースにケチャップ、柚胡椒、カレー粉を入れたり、梅甘酢や甘味噌ダレに付けて食べたりするとおいしいですよ」

−−お好きな部位は?

「私は、胸肉ともも肉のミックスが好きですね。胸肉は他の肉と同じく、酵素を多く含んだフルーツやヨーグルトに漬け込むと、肉の繊維が壊れて柔らかくなります」

−−今後の唐揚げの展開や、注目ポイントを教えてください。

「いかにして胸肉の唐揚げをおいしく食べるか、を追求していくことですね。胸肉は安くてヘルシーであり、唐揚げにしても工夫やアイデア次第でおいしく食べられることを広めていきたいと思っています。それと、唐揚げの部位としてまだまだ発展の余地がある手羽元内臓系にも注目しています」

−−内臓系ですか! 手羽元はわかるのですが、内臓系は確かに唐揚げとしてはあまり聞かないですね。

砂肝の唐揚げはクセが少なく、焼き鳥にするよりも柔らかくジューシーに食べられます。レバーは血の固まりや筋を取り除き、臭いが気になる場合は塩水に20分ほど漬けておくと臭みが取れます。唐揚げにすると濃厚でねっとりとした食感を楽しめますよ」

 

普段、何気なく食べている唐揚げ。その世界は想像以上に広く、そして深いものでありました。取材にご協力いただいた八木さん、そして、日本唐揚協会に感謝の意を捧げつつ、明日のランチは唐揚げ定食をチョイスすることを心に決めました。

 

教えてくれた人

八木宏一郎さん

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日本唐揚協会 専務理事。愛知県春日井市出身。全国の4000店以上で唐揚げを食した、筋金入りのカラアゲニスト。唐揚げを世界に通じるブランド“KARAAGE”にするべく、啓蒙活動に日夜奮闘中。
日本唐揚協会 http://www.karaage.ne.jp/

 

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