ニクイねぇ!調査隊

テレビデオはどこへ行った?

文/ニクイねぇ!Press編集部 イラスト/PIXTA

2016.03.04

テレビデオ。2in1家電や複合型家電の代表的アイテムとして、1980年代頃には各メーカーから発売されていました。とはいえ存在自体は多くの人に知られているものの、その詳細についてはほとんど語られていません。今回はそんな知られざるテレビデオの歴史について調べてみました。

 

逆風にさらされたデビュー 一転、ヒット商品へ

70年代後半に勃発した、家庭用ビデオデッキにおける規格競争。俗にいう“VHS対ベータ戦争”の真っ最中に登場したのがテレビデオです。

いうまでもなく、テレビデオとはテレビとビデオを繋げた合成語。正式には“ビデオ内蔵型テレビ受像機”といい、主にブラウン管方式のテレビとVHS方式のビデオデッキを組み合わせた製品のことを指します。そんなテレビデオは、登場時から常に、逆風に晒されたアイテムでした。

テレビデオのデビュー当時、ビデオデッキは普及が始まったばかりで、まだとても高価なアイテム。とても一家に1台というものではありませんでした。

複合機であるテレビデオは、それぞれを単独で購入するよりも必然的に高価となり、いわゆる“贅沢品”でした。80年代にかけて、各社からいくつかの新商品が登場しますが、当時テレビは大画面化、ビデオデッキは高性能化・低価格化が進行している最中で、この時期にテレビデオにあえて高いお金を出して買うメリットはありませんでした。

さらに、今とは違い、テレビは一家に1台、しかもリビングに置く時代。ビデオデッキ部分の故障のたびにテレビごと家電店に引き取られるケースが多く、そのたびに家庭からテレビがなくなってしまうことから、人気は高まりませんでした。

とはいえ、90年代に入ると、テレビデオの人気が徐々に高まります。ヒットの理由は、ビデオの価格が下がり、テレビデオも購入しやすい価格設定になったこと。

また、テレビが一家に1台の時代から複数所有する時代へと移行し「マイルームや寝室などにテレビ・ビデオデッキを置きたいが、リビングのようなスペースがない」というニーズに、テレビデオの“余計な配線がいらない”省スペースというメリットがマッチしたことも、ヒットの理由でしょう。

さらに、80年代後半からレンタルビデオ店が爆発的に普及し始めたことも、テレビデオのヒットの要因であるとされています。

 

デジタルシフトで“消えた”テレビデオ 

そして、時代はデジタルへ。それまで主役だったアナログのVHSが、一気にデジタルメディアであるDVDへと置き換わっていきます。DVDの規格は1995年に発表され、96年9月に初の商用化に成功。日本では96年11月、世界初のDVDソフトとして、谷村新司のライブDVD『シンジラムニタ』が発売されます。これを皮切りに、徐々にレンタルDVDが店頭に並び始めました。

2000年頃には、レンタルメディアの主役がVHSから省スペースのDVDへと本格的に移行。さらに2003年、DVDより大容量のデジタルメディア、Blu-Rayが登場し、ソフトも徐々に充実していきました。

時代が完全にデジタルシフトしたことで、VHSビデオデッキを搭載したテレビデオの市場は、あっという間に縮小していきます。液晶/プラズマパネルの採用によるテレビの薄型化により、VHSビデオデッキを配置するスペースを確保しにくくなったことも、テレビデオの進化を阻害したといえるでしょう。

 

HDD内蔵型へ進化 新たな人気者に

とはいえ、いつでも簡単にテレビ番組を録画したい、パッケージソフトを見たい、といったニーズは依然として高く、その後録画用HDDやDVDプレーヤー、HDDではなくBlu-Rayに直接録画する機能を内蔵した液晶/プラズマテレビが発売されます。

録画用HDDを内蔵することで、DVDなどのレコーダーがなくても録画できる点が大きなメリット。さらに、Blu-Rayディスクレコーダーも搭載することで、まさにテレビデオのデジタル版ともいうべき「録画テレビ」となりました。

そして現在、多くの薄型テレビが、接続した外付けHDDに番組録画できる機能を搭載するようになりました。一方、録画用HDDとBlu-Rayディスクレコーダーの両方を搭載した録画テレビは、少数派となっています。

これは、テレビデオの黎明期と同様、HDDやDVD/Blu-Rayレコーダーの搭載による価格アップが、熾烈な価格競争を強いられている薄型テレビの世界では敬遠されていることの現れなのかもしれません。

そんな少数派の録画テレビですが、多くのメリットを備えていることは間違いありません。たとえば、三菱電機の液晶テレビ「REAL BHRシリーズ」などは、高画質・高音質であるのはもちろん、テレビデオ時代からのメリットである省スペース設計や、余計な配線が不要という美点を活かし、設置しやすく、設置後の掃除も非常にラクというメリットを備えています。

またテレビデオは、ビデオデッキ部分が壊れてしまったら修理に預ける必要があり、テレビも見られなくなる、というデメリットがありましたが、REAL BHRシリーズはこれを解消。テレビ部、録画部それぞれのユニットが分離されており、仮にレコーダー部だけが故障しても、その部分だけをサービスマンに交換、修理してもらうことができるのです。

このように、今では絶滅してしまったかつてのテレビデオですが、現在もそのDNAを受け継ぐモデルとして、録画テレビは進化し続けているのです。

 

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