How To

動物のプロが教える!
親子で出かける前夜に読みたい「動物園攻略法」8

文/ニクイねぇ! PRESS編集部 写真/PIXTA

2019.02.04

 

6.子どもといっしょに楽しむコツは

「教える」ではなく「いっしょに観察する」

お子さんと動物園を回る際のママやパパの行動についても、コツがあると新宅さんはいいます。ここからは、いくつか具体例を挙げてご紹介しましょう。

まずは動物を目の前にして、お子さんとどのような会話をすればいいか、について。

お子さんだけでなくママやパパでも、学校の授業で動物について詳しく学んだ、という方は少ないのではないでしょうか?

「今のお子さんに限らず、ママやパパの世代でも、学校の授業では動物について詳しく習ってはいませんよね? なので『ライオンはアフリカに生息していて、シマウマなどを食べる肉食動物』くらいの知識しかなくて当然なんです。

だからといって、大人が背伸びをして、お子さんに“知識”を教えてあげる必要はありません。『ライオンの歯はすごいね。あんなに鋭いとお肉を食べやすいだろうね。でも大きな牙は食べるときに邪魔じゃないのかな?』とか『ゾウの足はパパより大きいね。足の裏ってどうなっているのかな?』など、目の前にいる動物の様子をお子さんと共有し、会話を楽しんでみてください。大人が興奮している姿に子どもは興味を持ち、自然と目の前の動物に関心を持っていくと思います。

またそのとき、お子さんから『ライオンのたてがみは何のためについているの?』といった「ナゼ」が出てきたら、近くにいる飼育員さんに話を聞いたり、図鑑で調べたりして、親子でいっしょに学んでいくといいでしょう。答えを求める前に、親子でアレコレ推測するのも楽しいですよ」(新宅さん)

 

さらに、そのほかの「親子での楽しみ方」を新宅さんに教えてもらいました。

 

その1:親子で動物のあだ名を考えてみよう!

動物園で暮らす動物たちには、名前がつけられています。

「動物たちを名前で呼ぶと、一気に親近感が増しますし、動物も自分の名前を呼ぶ人には興味を持ちます。名前がわからない場合は、親子であだ名を考えてみるのも面白いですね。タレントの○○さんに似ているとか、理由はなんでもいいんです。あだ名をつけたら、動きに合わせてセリフを当てる“アテレコ遊び”も楽しいですよ」(新宅さん)

 

その2:勇気を出して飼育員さんに質問してみる

ごはんの時間や園内のイベントは、直接、飼育員さんにお話を聞けるチャンスでもあります。

「質問の内容は『○○ちゃんはどんな性格ですか?』とか『どんな遊びが好きですか?』など、飼育員さんが担当されている動物の内面について尋ねてみましょう。体は大きいのに臆病な性格の子や、ひょうきんな性格など、動物たちにも個性があります。飼育員さんは、動物の説明看板には書いていないような、貴重な情報を教えてくれますよ」(新宅さん)

 

その3:動物とのふれあいコーナーを体験しよう!

ウサギやヤギなどに直接触れられる「ふれあいコーナー」は、動物園でも人気のエリアです。

「生きている動物に触れるというのは、お子さんの情操教育にもつながります。そっと動物の様子をうかがっていたお子さんも、勇気を出して動物と触れ合う喜びを感じられるきっかけになるので、ぜひ足を運んでみてください」(新宅さん)

 

 

7.いかにもえらそうに歩くボス猿に注目!

「猿山」の観察はお子さん連れに最適のスポット

群れで暮らす猿は、ボス猿、親猿、子猿と関係性がわかりやすいので、お子さんでも理解しやすく、親子で楽しむにはおすすめの動物です。

「例えば、猿たちが暮らす猿山を5~10分観察していると、それぞれの歩き方のクセ、毛並みの違い、顔にキズがある……といった違いが見えてきます。その中から、1匹の気になる猿を見つけ、その子を中心に猿山全体を観察してみましょう。すると、仲のいい猿が見えてきたり、大きな猿が来たときに逃げたら『あれはボス猿かもしれない』……と感じるなど、漠然と見ていた猿山に、関係性やストーリーがあることがわかってきます。それらをお子さんといっしょに想像しながら話をしていると、とても楽しい時間を過ごせますよ」(新宅さん)

 

 

8.カメラのフラッシュは必ずOFF

「大声」「急に動く」など動物が嫌がるNG行動

強い光は、動物の目にダメージを与えてしまいます。そのため、デジタルカメラやスマートフォンのフラッシュは、あらかじめOFFに設定しておきましょう。

「そのほか、悪気なくやってしまいがちなNG行動としては、大声や早い動きが挙げられます。大きな声を出されたり、走って近づかれたりすると動物たちは緊張し、行動を止めてしまいます。急いで動物たちのところに駆け寄りたい気持ちを抑え、なるべくゆっくりとした動作を心がけてください」(新宅さん)

 

もちろん、動物園に出かけるからといって「すべてこの攻略法どおりに行動しなきゃ」と気負わなくても大丈夫! 大前提として、園内の回り方、動物たちの観察方法に決まりはありません。

「大人は、希少動物や珍獣が好きという方が多いのですが、お子さんの場合、好きの基準は“面白いかどうか”という場合が多いですね。私も娘が幼い頃、動物園に連れて行ってパンダなどを一生懸命、説明しながら見せましたが、無反応ということも(苦笑)。反対に、ベンチで休憩していたときに寄ってきたハトに一番テンションが上がり、夢中になっていました。うちの娘に限らず、動物園へ出かけたのにハトに夢中になってしまうお子さんというのは、結構多いんです。でも、それでいいと思います。大人の価値観を押しつけず、お子さんが面白い、楽しいと思うきっかけを、ぜひ動物園散策を通じて見つけてあげてください」(新宅さん)

 

ちなみに日本は、国土の面積に対する動物園の数が世界一という「動物園大国」なのだとか。裏返せば、それだけ個性の異なる動物園が存在し、楽しみ方も多くあるということ。今回ご紹介した楽しみ方のポイントを参考に、ぜひ今度の休日、親子で動物園に出かけてみてください!

 

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教えてくれた人

新宅広二さん

生態科学研究機構理事長。専門は動物行動学と教育工学。大学院修了後、上野動物園、多摩動物公園に勤務。その後、国内外のフィールドワークを含め、400種以上の野生動物の生態や飼育方法を修得。監修業では、国内外のネイチャー・ドキュメンタリー映画や科学番組など、300作品以上を手がけたほか、動物園・水族館・博物館のプロデュースにおいても実績がある。『すごい動物学』『しくじり動物かん字ドリル1年生』(永岡書店)などの著書のほか、多くの動物図鑑を執筆・監修。2018年11月末に公開のネイチャードキュメンタリー『アース:アメイジングディ』や、テレビドラマ『僕らは奇跡でできている』の監修も手がけている。

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